記事紹介
水道水をおいしくする方法

 水道水をまずくしている原因は、臭気,有機物及び水温です。特に、カビ臭とカルキ臭が最大の原因といえます。そこで、これらの原因物質を除去することができれば、おいしい水になります。

 家庭で簡単にできる方法として、やかん等に一晩くみ置きして塩素を減少させたり、5分以上沸騰させたり、冷蔵庫で水温を下げたりすることによっておいしくなります。ただし、塩素がなくなると細菌が増殖するので、なるべく早く使用する必要があります。

 浄水器を使った場合は、配管腐蝕による濁りや鉄さび等の固形物をろ過除去し、カビ臭,カルキ臭,トリハロメタン等の溶解物を吸着除去して水質を改善する効果があります。

 

家庭用浄水器の現状

 家庭用浄水器は昭和30年代に井戸水ポンプ併用型として開発されました。40年代になると、水道水にも利用されるようになり、昭和46,47年に第一次ブームを迎えました。しかし、このブームは悪徳な便乗商法が横行したため急速に衰退してしまいました。その後も、おいしい水への要望の高まりや浄水器の改良によって、昭和59年に浄水器の出荷量が大幅に伸びて第二次ブームが到来しました。ところが、厚生省により「浄水器の使用に伴う細菌の繁殖等の問題」に関する指導があり、浄水器市場は再び縮小してしまいました。ところが、平成2年には、新型浄水器の開発やバブルによる購買意欲の隆盛とともに、(社)日本水道協会による「給水器具に関する型式審査基準」が制定され、三たび浄水器ブームを迎えることとなり、現在に至っています。

 

家庭用浄水器の種類と性能

 家庭用浄水器には、蛇口直結型,据置き型及びアンダーシンク型があります。機能的には活性炭吸着及び中空糸膜ろ過が主であり、セラミック吸着や逆浸透膜ろ過を用いた浄水器もあります。そのほかに、殺菌効果(紫外線等)や水質向上効果(ミネラル水,アルカリイオン水)や整水効果(磁気処理水)を加味したものもあります。

 家庭用浄水器の性能を評価した例を示します。

  ろ過材

項目

活性炭

中空糸膜

+活性炭

セラミック

+活性炭

逆浸透膜

+活性炭

残留塩素

除去できる

除去できる

除去できる

除去できる

カビ臭などのいやな臭い

初期はできるが銘柄による差が大きい

初期はできるが銘柄による差が大きい

初期はできるが銘柄による差が大きい

除去できる

鉄サビなどの濁り

あまり除去できない

除去できる

あまり除去できない

除去できる

有機物全般

除去できない

除去できない

除去できない

あまり除去できない

硬度(カルシウムやマグネシウム等)

除去しない

除去しない

除去しない

除去してしまう

トリハロメタンなど

初期はできるが銘柄による差が大きい

初期はできるが銘柄による差が大きい

初期はできるが銘柄による差が大きい

除去できる

目詰まり

銘柄による差が大きいがあまりしない

目詰まりがはげしい

銘柄による差が大きいがあまりしない

1分間に浄水できる量がもっとも少ない

滞留水の水質

捨て水をする等非常に注意が必要

捨て水をする等非常に注意が必要

捨て水をする等非常に注意が必要

捨て水をする等非常に注意が必要

整水効果

特に確認できない

特に確認できない

特に確認できない

特に確認できない

[出典:宗林さおり(1994),特集“おいしい水”考察

家庭用浄水器のテストから,水道公論,30(12),31〜33.]

 ミネラル水は、水道水を活性炭や中空糸膜に通して浄化した後に、乳酸カルシウム,医王石(希皇石),麦飯石及びコールサンドを通してミネラルを添加してつくられます。希皇石は金沢市郊外の東南部に当たる医王山から採出され、鉱物学上は石英閃緑玲石です。麦飯石は石英斑岩の一種です。

 アルカリイオン水・酸性イオン水は、水道水を浄化した後に、乳酸カルシウムまたはグリセロン酸カルシウムを加えながら電気分解してつくられます。アルカリ水と酸性水は切り替えできるようになっています。

 磁気処理水は、水道水をある速度以上で磁石のN極とS極の間を通すことによってつくられます。

 これらの水の機能や効用に関する評価には諸説があるようです。

 

<参考文献>

 桜井祥三 (1998):家庭用浄水器の現状と展望,造水技術,24(3),22〜26.

 今井寅二郎(1995):水の科学

おいしい水,化学経済,42(8),84〜92.

 宗林さおり(1994):特集“おいしい水”考察

家庭用浄水器のテストから,水道公論,30(12),31〜33.

 白水 暢 (1994):特集“おいしい水”考察

浄水器と水道協会,水道公論,30(12),37〜40.

 田口幸夫 (1994):特集

水と人 生活と水 飲み水,ぶんせき,(10),824〜829.

 植田尚孝 (1994):おいしい水

浄水器,Better Living ,(145),8〜12.

 

「Wafooネット運営委員会」

(財)九州環境管理協会

井戸水、水道からはこんな問題が発生しています。

環境ホルモン調査で3河川から検

…(山形県)

 山形県は、余目町の最上川と酒田市の赤川、鶴岡市の内川を対象に、去年初めて実施した内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)の調査結果を13日、公表した。

 3河川ともに環境ホルモンが検出されたが、県環境保護課は「明確な基準がなく、今回の検出が直接的に危険性を示すものかどうは何ともいえない。県としてはデータ収集の段階で、今後も調査を継続していきたい」としている。

 最上川(調査地点・余目町榎木の庄内大橋)と赤川(同・酒田市浜中の新川橋)を対象にした調査は去年11月に実施。環境庁が対応方針に示している67物質のうち58物質、さらに独自の2物質を加えた計60物質を対象に、同庁のマニュアルに沿って水質と川底の泥などの底質を調べた結果、ポリ塩化ビフェニール(PCB)類など4物質を検出した。
 一方、鶴岡市の内川を対象とした調査は去年11月から12月にかけて行われた。調査地点は6カ所。その結果、PCB類、ビスフェノールAなど4物質を一部地点で検出した。

平成
12年5月14日 山形新聞

O157感染が大量発生…カナダ

オンタリオ州の小さな町で腸管出血性大腸菌O157の大量感染が発生、5月25日までに5人が死亡した。感染した患者は数百人以上に上るとみられる。

 O157感染が大量発生したのは人口約5千人の町ウォーカートン。カナダのCBC放送などが伝えたところによると、激しい腹痛や血便、吐き気、発熱といった症状を訴えている人は7百人。水道水がO157に汚染されていたのが原因で約2週間前の大雨で下水または農場の肥料が水道に流れ込んだ可能性があるとされている。
平成12年6月10日 厚生福祉

基準超える塩素イオン 松橋町など3井戸 最高で2・65倍も

 下益城郡松橋町萩尾の産廃処理施設近くの飲用井戸から長期に常用すると有害な塩素イオンが検出された問題で、県は三日、同地区の六地蔵公民館で住民説明会を開き、初めてデータを公表した。隣接する城南町尾窪地区を含め三つの井戸で国の飲用基準(一リットル中二〇〇ミリグラム以下)を超える塩素イオンを検出。塩素イオン濃度は松橋町側で最高一リットル中五二九ミリグラム、城南町側でも同四八一ミリグラムあった。周辺では平成八年にも七本の井戸で塩素イオンが基準を超え、共同水源に切り替えた。県は「今回基準を上回った井戸は、隣接井戸が共同水源に切り替わったことでくみ上げ量が減少し、水位が上昇。よどみやすくなったためと推測する。濃度が増加している地域の拡大はない」と説明。産廃との因果関係は「否定できない」としている。


 現地調査を続けている宮北隆志・熊本大医学部講師(環境保健学)の話

通常、水道水の塩素イオン濃度は一〇〜二〇ミリグラム程度で、海に近い所でも数十ミリグラム。それを大きく超えたのは重大で、産廃処理施設のビニールシートを張っただけの部分から汚水が漏れ出している証拠と言える。今後、塩素イオンだけでなく有害物質にも波及する恐れもある。県は基準を超えた三地点だけでなく、全地点を地図に落としてデータの経年変化を明らかにすべきだ。
平成12年7月4日 熊本日日新聞

環境ホルモン 水道管より溶出

 内分泌かく乱科学物質のひとつとされるビスフェノールAが、家庭の水道管より溶出していることが、全国の生協など

9団体でつくる環境ホルモン全国市民団体テーブル(小若順一事務局長)の調べでこのほどわかった。建物の水道メーターから蛇口までの水道給水管によく使われる七社の計10商品(プラスチック製で、素材はポリエチレンや塩化ビニル)を調査した結果、このうちの7つから0.1〜16ppb(ppbはppmの千分の一)のビスフェノールAを検出した。

 ビスフェノールAは、去年秋、米国の研究者が低濃度でマウス胎児の生殖機能に影響があったとする実験結果を発表している。環境庁も「環境ホルモンの疑いのある化学物質」としてリストアップしているが、「まだ断定できない」との理由から環境ホルモンとしての規制値はない。

 小若事務局長は、「実験結果を基に計算すれば、0.12ppbくらいの規制値が必要になるはずだ。そうなれば、今回の調査で出た数値は人体への影響が十分考えられる値だ。」と警告している。
平成12年8月5日 朝日新聞

水道法水質基準

水道法の改訂により旧基準26項目に新たに20項目が追加され46項目となっている。改訂に伴い,鉛,ヒ素,マン
ガン,陰イオン界面活性剤については基準値が強化された。

わが国における飲料水水質基準値(平成4年12月21日水道法改正)

項目 単位 飲 料 水 
水質基準

一般細菌 個/mL 100 以下
大腸菌群 検出されないこと






カドミウム mg/L 0.01 以下
水銀 mg/L 0.0005以下
セレン mg/L 0.01 以下
mg/L 0.05 以下
ヒ素 mg/L 0.01 以下
六価クロム mg/L 0.05 以下
シアン mg/L 0.01 以下
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 mg/L 10 以下
フッ素 mg/L 0.8 以下







四塩化炭素 mg/L 0.002 以下
1,2-ジクロロエタン mg/L 0.004 以下
1,1-ジクロロエチレン mg/L 0.02 以下
ジクロロメタン mg/L 0.02 以下
シス-1,2-ジクロロエチレン mg/L 0.04 以下
テトラクロロエチレン mg/L 0.01 以下
1,1,2-トリクロロエタン mg/L 0.006 以下
トリクロロエチレン mg/L 0.03 以下
ベンゼン mg/L 0.01 以下





クロロホルム mg/L 0.06 以下
ジブロモクロロメタン mg/L 0.1 以下
ブロモジクロロメタン mg/L 0.03 以下
ブロモホルム mg/L 0.09 以下
総トリハロメタン mg/L 0.1 以下

1,3-ジクロロプロペン mg/L 0.002 以下
シマジン(CAT) mg/L 0.003 以下
チウラム(チラム) mg/L 0.006 以下
チオベンカルブ mg/L 0.02 以下



亜鉛 mg/L 1.0 以下
mg/L 0.3 以下
mg/L 1.0 以下
ナトリウム mg/L 200 以下
マンガン mg/L 0.05 以下
塩素イオン mg/L 200 以下
カルシウム,マグネシウム等(硬度) mg/L 300 以下
蒸発残留物 mg/L 500 以下
陰イオン界面活性剤 mg/L 0.2 以下

1,1,1-トリクロロエタン mg/L 0.3 以下
フェノール類 mg/L 0.005 以下




有機物等(過マンガン酸カリウム消費量) mg/L 10 以下
pH値(測定時水温) 5.8〜8.6
異常でないこと
臭気 異常でないこと
色度 5 以下
濁度 2 以下